デビューから10年、表現は次のステージへ Aimer「Walpurgis」感想

アーティスト・アルバム深掘り

こんにちは!ちょっと間が開いてしまいましたが、、、

ねぇねぇ、今週大注目の新譜、

Aimer「Walpurgis」

聴いた?????

Aimer、僕が高校生の頃からずっと好きなアーティストで、知ってから大体6年くらいになるのかな。ある時は背中を押してくれて、ある時は優しく寄り添ってくれて、またある時は強烈な衝撃を植え付けていく、人生の中で凄くお世話になったアーティストです。そんな彼女の2年ぶりとなるフルアルバム。それについてのレビューを個人の感情ダダ漏れで書いちゃいます。どうぞよろしく…。

僕にとっての「Aimer」について

僕がAimerと出会ったのはFate/Stay Night [Unlimited Blade Works]のOP「Brave Shine」だったので高校生の頃でしたね。オタクとしては割と遅めなんですけど、世間的にはあの「蝶々結び」でブレイクする少し前。当時はその曲が凄くかっこいいなって思ってたんですけど、そこから「六等星の夜」だったりいろんな曲を聴いて、その当時自分がいろいろあって病んでた(今も?)のもあって凄く刺さっちゃって。曲や歌声はもちろん、普段あんまり意識に入ってこない歌詞もすごくダイレクトに突き刺さってきて、そこから6年間ほど、あんまり聴いてない時期もあるとはいえ自分の人生の一部、音楽観の核みたいな存在です。

新アルバム「Walpurgis」で見せた新たな境地

「Walpurgis」はそんなAimerがデビュー10周年という節目となる年でもあるということで、様々な新しい表現に挑戦した意欲作。これは完全に悪いオタクの妄想なんですけど、アルバムタイトルが「Walpurgis(ワルプルギス)」でさらに楽曲提供に梶浦由記さんがいるとか、もうどうしても同じく今年10周年を迎えるアレのことを考えずにはいられないんですよね… 主題歌とかやってくれたりしませんか?

じゃあどの辺りが「新しい」って感じたの?って話なんですけど、その理由がある曲を何曲か見てみましょう。

Aimerの声の可能性を開拓し続けた梶浦由記 「Wonderland」

Aimerのこれまでの軌跡を語るうえで欠かせないのが様々なアーティストからの楽曲提供、その中でも劇伴作家からの楽曲提供ですね。劇伴作家の中でも自らアーティストとして精力的に活動しているコンポーザーとして菅野よう子・梶浦由記・澤野弘之の3名が広く知られてますけど、Aimerはこの3人全員から曲を書きおろされた唯一のシンガー。初期段階でコラボした澤野さん・菅野よう子さんは当初優しいバラードばかりを歌っていた彼女の歌声に力強さ、また獰猛さを見出し、それを引き出してきました。ちなみに菅野よう子さんはその時のレコーディングの際に「君はもっと野獣になっていい」と話したらしい。

Aimer「wonderland」MUSIC VIDEO( new album『Walpurgis』 4.14 on sale)

梶浦さんとのコラボは2017年の映画「Fate/Stay Night [Heaven’s Feel]」を気に実現、そこから3部作全ての主題歌を担当。これは個人の感想なんですけど、この映画の主題歌はヒロイン・間桐桜一点を掘り下げるものだったことから、梶浦さんはAimerの歌声の中にある「少女のような無邪気さ」を顕在化させたような気がします。そしてそれがより色濃く出たのがこの「Wonderland」。

テンポ、リズム感的には「I beg you」に近いんですけど、この曲、特にBメロの弾むようなメロディを歌う声は、どういうわけか今までのどの曲でも聴いたことのないような歌い方に感じたんですよね。もちろん独特のハスキーボイスは変わらないんですけど、それでもどういうわけか少女が歌っているように聴こえる。圧倒的な特徴を持ちつつ、楽曲の世界観に合わせて歌声が変化していく。これはこの曲だけじゃなくて、Aimerの揺るがない魅力だと思います。

そして音楽的に見てもとても面白くて、梶浦さんの魅力を見ることができます。YouTubeのコメントでも「I beg youっぽい」っていう意見がたくさんあったんですけどちゃんと理由があって。それが、

旋律の動きに対応するコードがほぼ一つだけで成立している

ということ。歌メロやストリングスが非常にドラマチックなメロディを奏でるのに対し、下支えをするコードはCマイナーからほぼ動いてないんです。この差異が不安感、不気味さを演出してるんですね。

さらに、要所で特殊な音階を使っているのも大きな特徴なんです。サビで少し開放的・メルヘンチックな雰囲気に変化するのは「ドリアンスケール」という音階によるもの。これも実は梶浦さんの楽曲にはよく見られます。これに説明すると色々と難しい話になるので興味ある方は下のURLからドリアンスケールについては見てみてください。

ドリアンスケール(Dorian Scale)
ドリアン・スケールは長音階を2度から並べ直してできるマイナースケールで、コードに合わせて弾いてみるとジャズの要素を感じられると思います。サイトでは様々なキーでの指板上の音程表を掲載しているほか、ギター博士によるCドリアン・スケールを用いた演奏を聞くことができます。

さらにDメロでもまた別の「ハーモニックマイナー・パーフェクト5thビロウスケール」なんていう長ったらしい名前の音階が使われています。これは実はI beg youの音階と同じもので、そのまま奏でるとアラビア音階に近い雰囲気になるんですけど、今回はラスサビに持っていく前の未解決段階の表現として使われています。よくある「チャンチャン♪(ソ→ド)」っていう動き(ドミナントモーションって言います)をフレーズ単位でやっているのがこの曲のDメロ→ラスサビなんです。

こんな風におどろおどろしい「Wonderland」の世界観を作るために作曲・歌唱の両面で様々な技を散りばめているのがこの曲。「花の唄」に始まったAimer×梶浦由記の究極と言える結晶です。

新たな「オシャレな魅力」を引き出したVaundyとのコラボ「地球儀」

Aimer「地球儀 with Vaundy」MUSIC VIDEO(new album『Walpurgis』now on sale)

劇伴作家以外でもコラボによって新たな声の可能性を切り開いてきたAimerなんですけど、今回コラボしたのは昨年「東京フラッシュ」「不可幸力」などで注目された20歳の新星Vaundy

ブラックミュージック・即興歌的なニュアンスの歌は真っ直ぐなJ-POP、バラードが軸のAimerでは少し珍しい路線。過去に絢香の「三日月」や中島美嘉の「Orion」を即興風なジャズアレンジでカバーしたことがあるものの、オリジナルでは新しい路線ですね。

Aimerの声の魅力は型にはまらないからこそ真価を発揮すると思っていて、2016年に出したJ-ROCKアーティストとのコラボアルバム「Daydream」で多種多様なスタイルの曲が1つの世界観にまとまっているのもこの自由度の高い歌声あってこそでした。そんな持ち前の自由度をVaundyは存分に生かしてますね。

歌詞も「~~ちまえよ」みたいな普段のAimerの曲ではまず目にかかれない言い回しを使ってみたり、サビの頭「どうしようなんてMotion」で日本語と英語で韻を踏むことによる独特のリズム感など様々な工夫がなされています。

コラボを通して可能性を得ていった10年間の歩みはこういった明るい曲にも出てきていますね。

10年目、さらなるステップアップを宣言するリードトラック「Walpurgis」

アルバムのラストに収録されているのがアルバムタイトルを冠する楽曲「Walpurgis」。この曲はAimerが今までやってこなかったジャンルに挑んでいます。それはエレクトロニカ、アンビエントといったもの。

電子音を環境音的にサンプリングした、チルアウト感、ミステリアス感を強く持つ楽曲で、独特な声の存在感で魅せてきた今までとは対照的な、歌をトラックの中に溶け込ませた一曲。また何よりメロディアスなこれまでの楽曲と異なり、クラブミュージック的な「音を組み立てる」ニュアンスが強いのがこれまでとこの曲の決定的な違いじゃないかと思います。おそらくファンの方々の中にはこういった曲に対して新鮮な感情を抱いた人も結構いるんじゃないかと思いますね。

デビュー10周年の節目を前に、これまでとは全く異なる新たな表現の片鱗を見せてきたAimer。これからどんな挑戦をしていくのか、ますます楽しみにさせてくれる一曲です。

Aimerというアーティストの「進化」

あくまでこれって主観でしかないんですけど、Aimerは僕の中では曲を出すたびに進化を分かりやすく見せてくれるアーティストだなって思うんですよね。「六等星の夜」を最初に出してしばらくは「夜」を歌う内向的なバラード一筋だったのが、ガンダムUC、澤野弘之との邂逅で力強さを持ち、Fateとの出会いを通して「夜明け」を歌い、そして太陽のように明るく輝く曲をも次第に歌うようになっていった、っていう感じで、歌うことを通してどんどん強くなっていった人だなっていうのを感じてます。そしてその変化に思うことはあれど、どれも偽りのない彼女の歌だなっていうのも同時に思います。

今回の作品はそんな「進化」の過程を凝縮した作品。再び夜を彷徨い生まれた「STAND-ALONE」や「Torches」、熱い王道アニソンに挑んだ「SPARK-AGAIN」、そういったバラバラの音楽性を唯一無二の歌声でまとめ上げる。一見らしくないこともしているようでこのアルバムはAimerの歴史そのものなんですよ。

こうやって臆することなく今までしなかったことをしてきた、これがAimerの一番の強みで、僕がAimerを好きで居続けられる理由なんです。だから10年目を迎えてその先もどんどん新しい世界を見せてほしいなっていうのが、一リスナーとしての願いです。

おわりに

えっっっっと、この感情垂れ流しは何?????

とりあえずAimerの新譜はとにかく神なんですよ、、、残念ながらサブスクなかったけど聴いてほしいな!何でサブスクないの!星の消えた夜にを解き放ってくれってもう1億年くらい言ってるんですけど…

そうそう、最近ついにウマ娘を始めてしまってね… もうハマっちゃってどうしようもないです。カレンチャンまさかの被りで才能開花しました。とりあえずメジロマックイーンでURAファイナルズ制覇したい。

最近だいぶネタ仕込めたので順次解放していきたい。何卒よろしくお願いします。あと来週M3あるのでそこで買ったやつの感想なんかも書いてあげたいですね。できればコンポーザーにエゴサされてほしいですね。といった感じで今回は以上でした。最期下にアルバムのiTunesのリンク貼っとくからぜひ!!!!!

Aimerの「Walpurgis」
アルバム・2021年・14曲

コメント

タイトルとURLをコピーしました